兵庫県川西市の税理士 島田税理士事務所 税務・経理・資産運用のよろず相談所

Q&A 相続・贈与税関係

Q3-14. 
父が亡くなりましたが財産よりも借金の方が多く困っています。借金を相続しない方法はないでしょうか?

A.
相続には、次の単純承認、限定承認、相続放棄の三つの方法があります。

(1) 単純承認
・ 財産と借金をすべて引き継ぎます。

(2) 限定承認
・ 引き継ぐ財産の範囲内の借金だけ引き継ぎます。
・ 相続開始から3ヶ月以内に家庭裁判所で手続きをします。
・ 相続人全員の同意が必要になります。
・ 被相続人が相続人に対して財産を時価で渡したものとして、みなし譲渡所得課税がかかります(所法59)。⇒準確定申告が必要です。
 この場合、所得税は債務になりますので、財産より借金の方が多い場合はその所得税は切り捨てられるため相続人の負担はありませんが、財産の方が借金より多い場合は、その財産と借金の差額を限度として所得税を支払わないといけなくなります。なお、相続人がこの財産を譲渡した場合の取得価額は相続時の時価になります(所法60)。

(3) 相続放棄
・ 財産と借金すべて引き継ぎません。
・ 相続開始から3ヶ月以内に家庭裁判所で手続きをします。
・ 他の相続人の合意は必要ありません。

従って、借金を全く引き継がないためには相続放棄を、引き継いだ財産の範囲内で借金を返済する場合には限定承認を選択することになりますが、限定承認は相続放棄より手続きが複雑になりますので注意が必要です。


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