兵庫県川西市の税理士 島田税理士事務所 税務・経理・資産運用のよろず相談所

業務案内

デフレ期の資産運用の考え方

「銀行に預けてもいくらも利息がつかない」「年金も当てにならない」という時代になり、さまざまな運用先が考えられてますが、デフレの現状下では必ず儲かる高利回りの商品などはまずありません。むしろ、手持ち資金を減らさないリスクの分散という面での運用が大切です。

金利と利回り

金利は、「発行体が決めている額面に対する1年間の表面利率」の事を言います。利回りは、「一年間で実際に受け取る収益(換金金額-購入金額)が購入金額に対して何%なのか」を表します。

債券の場合、日々の売買で単価が変動しますから、金利と利回りは一致しません。

デフレ期の円建て資金の運用先としての考え方


現金
・・・資産価値が下落している分貨幣価値は上がっています。不動産価額が2分の1になったという事は現金の価値が対不動産に対して2倍になったという事になります。

長期性預金・・・金利はほとんどつきませんが、現金と同じで貨幣価値は上がっています。

株式
・・・企業間の業績格差が大きいので銘柄選びがより重要です。チャートだけでなく、株価収益率(株価を1株当たり利益で除したもの)や配当利回り(年間配当金を株価で除したもの)などから、現在の株価水準を自分なりに分析する事が大事です。

デフレ下では通常株価は下落しますが、平均株価はここ数年上昇しています。これは日銀の量的緩和、マイナス金利、株式買い入れなどの政策が影響していますので、実態経済とは乖離した価格になっていると思います。

債券・・・金利が低下していく過程で債券単価は上昇しますから利回りは大きくなります。ただし、金利が上昇すると逆に債券単価が下がりますので償還前に売却する場合、特に長期債は注意が必要です。

例外として、国が個人向けに発行している「個人向け国債 3年 5年 10年」は、債券でありながら価格変動がなく、10年物については変動金利で、現在の超低金利下においても金利上昇リスクのない金融商品になっています。ただし、当初1年間は売却できません。また、最低金利が年0.05%保証されていますが、期中売却の際には直近一年間に支払われた利息が差し引かれます。

投資信託
・・・株式投信は株価に連動し、債券投信は債券に連動しますので、考え方は株式や債券と基本は同じです。いずれも数種類の銘柄を組み込んでいますので個別銘柄を購入するより価格の変動幅は抑えられますが、信託手数料がかかりますので利回りはその分低くなります。

賃貸不動産・・・「年間家賃収入-年間維持諸経費」対「投下資本」の利回りが、「不動産価額の予想下落率」を上回るかどうかで判断します。

外貨建て資産

外貨建て資産は、為替レートに連動します。為替レートは国内金利と海外金利に影響されます。外国の金利が上がれば資金が海外に流出します(ハイパーインフレによる金利上昇は除きます)ので円は安くなります。海外の金利が日本より高いからといって外貨を購入しても、外国の金利が下がれば、今度は逆に円が高くなり短期的には金利より為替差損のほうが大きくなります。又為替レートは経済の先行きや、資金の流れを読んで決まってきますから、為替レートがどう動くか予測するのは非常に難しいところです。特に短期的には、実体経済と反対方向に動く事もよくあります。

したがって、外貨は短期的に利益を確保するために持つのではなく、長期的視野にたった運用をすること、又為替差損が出ても円だけを持つリスクに備える防御的な目的で持つ事が大切です。そういう意味で長期的には円安になる可能性のほうが高いと予想した場合、おおよそ次のように考えられます。
(外貨に換金する手数料は、各金融機関によって違います。又、各通貨単位でも違います。)

運 用 資 産 リ ス ク 度
外貨預金 短期 金利も低いですし、為替レートの変動幅が利息を上回る可能性が高いです。為替手数料の影響も受けます。
長期 為替レートの変動幅が利息を上回る可能性が低くなります。為替手数料の影響も緩和されます。ただし長期債より期間が短いので利回りは一般に低いです。
株   式 銘柄の実態が分かりにくいので相当研究が必要です。
債券(格付Aランク国債、金融機関債) 短期 金利低下局面にある外債は為替が円高に振れる要因になりますが高利回りが期待できるため、為替変動リスクが緩和されます。
長期 長期間の利回りが確定してますので為替変動リスクが短期債より緩和されます。円安が進めば更に利回りは大きくなります。
投資信託 債券 信託手数料がかかりますから現物債券より利回りは下がりますので、為替変動リスクが高くなりますが、数種類の債券を運用してますので現物債券ほど価格の変動幅は通常は少ないです。
株式 運用次第で高利回りも期待できますが、組み込まれている株式の実態が分かりにくいのでリスクは大きくなります。
※日本政府の保証が無いリスクは全てに当てはまります。


  業務案内へ戻る